1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 鎌倉世界遺産不登録:「日本遺産」創設を、推薦書作成携わった五味教授

鎌倉世界遺産不登録:「日本遺産」創設を、推薦書作成携わった五味教授

社会 | 神奈川新聞 | 2013年5月2日(木) 00:07

文化庁世界文化遺産特別委員会の元委員長で、「武家の古都・鎌倉」の推薦書作成に携わった五味文彦・放送大学教授(67)=日本中世史=が1日、神奈川新聞社のインタビューに応じ、物証偏重のイコモス評価に異論を唱えた。欧州の基準によらない「日本遺産」の創設を提言した。

-五味さんは登録を確信していた。よもやの評価をどうみるか。

物証の希薄性は分かっていた。鎌倉時代から残るのは鎌倉大仏くらい。鎌倉そのものを表現するにはひとつの傑作でいいのかと考えていた。だから、(山稜(さんりょう)部と21の「重要な要素」を組み合わせた)総合力で突破しようとした。いわば、新しい挑戦だった。欧州の基準と日本の価値観のすれ違いだろう。鎌倉の価値が否定されたわけではない。

-物証の乏しさを指摘した勧告を踏まえると、待機組も苦慮するのでは。

この評価が定着すると、今後の影響はかなり大きいのではないか。鎌倉が登録されれば、新しい形としての世界遺産の道が開けただろう。平泉(岩手県)が拡張登録を目指す柳之御所遺跡(奥州藤原氏の政庁跡推定地)も、富士山(山梨、静岡県)の三保松原も切り離さざるを得なくなるのではないか。

-木造文化に対し、西洋の石造文化は物証が残る。世界遺産に挑む場合、日本の資産は不利なのか。

世界遺産というのは一つの運動で常に同じ方向を向いているから、長短はある。江戸時代に入ると城郭が残るが、中世の武家権力は本拠を飾らない。広く信仰を集めた社寺は再建されて現存する。世界遺産は海外からもたらされた一種の文化ショック。日本の遺産も、それに対応して新しい価値が見いだされる。一方で、日本は欧州の評価基準を変える努力をしなければいけない。

-物証の残らない遺産をいかにアピールすべきか。

世界遺産というスキーム(体系)に合わないとなると、国内の基準で評価する「日本遺産」をつくってもいい。日本は無形の遺産が豊富だ。これらを救済する構想が望まれる。決して内向きでなく、国内の遺産に磨きをかけて世界遺産と相乗的に価値を高められればいい。

【】

大仏に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング