1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 県立図書館再編 私はこう思う(5)「神奈川の県立図書館を考える会」主宰 岡本真

県立図書館再編 私はこう思う(5)「神奈川の県立図書館を考える会」主宰 岡本真

社会 | 神奈川新聞 | 2013年3月29日(金) 15:21

当初の方針に固執せず、柔軟な判断をみせた県庁と県知事には県民の一人として敬意を表したい。とはいえ、問題は全面的な解決を見たわけではない。県立川崎図書館は川崎市殿町地区への移転という方向性が示されたが、横浜の紅葉ケ丘にある県立図書館の将来像は白紙の状態にある。二つの施設を軸にした県立図書館の将来像をこの機会に確立しなくてはいけない。

私は昨年11月に「神奈川の県立図書館を考える会」を発足させ、この問題を集中的に考えてきたが、次の方策が必要だと考える。

(1)類縁機関との機能的連動の検討と実施、(2)川崎図書館のさらなる機能強化、(3)横浜・紅葉ケ丘図書館の役割の再定義、(4)全県民的な議論と合意のための仕組みの設置-である。

(1)については、県立図書館以外にも県には多数の図書館的な施設がある。例えば、県立かながわ女性センター図書館(藤沢市)、県立金沢文庫(横浜市金沢区)、県議会図書室(横浜市中区)、県政情報センター(横浜市中区)といった機関と県立図書館を連動させれば、より充実したサービスの実践とコスト削減の両立が図れるだろう。今回の県立図書館問題を糧に、実施を図るべきである。

(2)については、産業都市である京浜地域において、企業にとって川崎図書館が果たしている役割は大きい。図書館は文化政策という一面のみで考えられがちだが、経済政策として同館をより生かし、産業の創出や活性化のための機能強化を図っていくべきだ。

(3)は目下、白紙に近い状態にある。依然として条例に基づく図書館を持たない自治体が県内にある以上、必要とする情報に全県民がアクセスできる機会の平等を維持する仕組みは必要だ。これを踏まえつつ、紅葉ケ丘の図書館の将来像を立地も含めて検討し、明確なビジョンを、条例や県の総合計画に盛り込む形で定めていく必要がある。

(4)については、長らく機能していない図書館協議会の再開を求めたい。図書館協議会は図書館法に定めのある公的な仕組みであり、専門家や一般県民の声を図書館行政、ひいては県政全般に反映する、現時点では最も妥当な仕組みである。県民が広く議論に参加できる仕組みの実現が必要だ。

以上、私見を述べたが、今回の一種の騒動を「雨降って地固まる」の第一歩とし「この図書館があるから神奈川に住みたい、住み続けたい」という県民を増やす一助になるよう願っている。それは、県が抱える財政問題の重要な解決策の一つでもあるはずだ。

おかもと・まこと アカデミック・リソース・ガイド株式会社(横浜市中区)代表取締役。「神奈川の県立図書館を考える会」主宰、東京都立図書館協議会委員。1973年生まれ。

【】

県立図書館に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング