獅子がササで熱湯を振り掛ける県指定無形民俗文化財の「湯立獅子舞」が27日、箱根町仙石原の諏訪神社で行われた。家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る伝統行事で、大勢の見物客が集った。
仙石原地区の湯立獅子舞は、1776年に甲斐(かい)国から伝わったとされる。町立郷土資料館によると、湯立獅子舞が現在行われているのは、同地区と同町宮城野地区、隣接する静岡県御殿場市のみという。
時折周辺に霧が立ちこめたこの日。お囃子(はやし)の音が響く中、箱根仙石原神楽保存会のメンバーが、湯釜の前でさまざまな舞を披露した。
「釜めぐりの舞」では、獅子がササを釜の中に突っ込み、こぼれんばかりにかき回した後、見物客らに振り掛けた。湯に掛けると無病息災の効き目があるとされ、あちこちから湯けむりと歓声が上がっていた。
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