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「人の力でどうにかなるなんて幻」、原発警鐘の演劇30年ぶり再演へ/横浜

社会 | 神奈川新聞 | 2013年2月24日(日) 11:01

インタビューに応じるふじたさん=東京都新宿区
インタビューに応じるふじたさん=東京都新宿区

原子力発電の危険を訴える演劇「臨界幻想2011」が27日、横浜市西区の県立青少年センターで上演される。東京電力福島第1原発事故を受け、昭和音楽大学(川崎市麻生区)客員教授で同市在住の劇作家ふじたあさやさん(78)が、1980年代に書いた台本を都内の劇団「青年劇場」が再演。ふじたさんは、「当時SFとされた内容が今に通じている」と、問題が放置されてきたことに悔しさを隠せない。

舞台はある地方の町。原発の元請け会社で働く26歳の青年の死が物語の発端だ。死因は心筋梗塞とされるが、原発作業員の被ばく問題を調べるグループが青年の母親を訪れたことから、母親は死因に疑問を持つ。

「息子はなぜ死んだのか」。病院、電力会社、青年の下で働いた作業員たちを訪ねるうちに、作業員の日常的な被ばくとそれが隠蔽(いんぺい)される構造が明らかに。そして発電所で事故が起き、町民は避難する。

息子の死を無駄にしたことを悔やんだ母親は、無人になった町に残る。そして共に残った青年の恋人と、「あれが人間の力でどうにかなるなんて幻だった」と青年の墓前で語り合う-。

81年の初演から間もない86年、チェルノブイリ原発事故が起きた。そして福島。再演を決意したふじたさんは、去年5月に都内で公演。そして今年は青年劇場が2月から3月にかけ、全国ツアーを行い問題を訴えていく。

「臨界幻想」は下請け労働の問題がテーマだが、「劇中で描いた、作業員の安全が守られない実態や、事故の影響を正しく発表しない政府の姿勢は、福島の場合と同じ」とふじたさんは憤る。また、太平洋戦争下最大の言論弾圧事件・横浜事件で家族が逮捕された経験からも、「国は私たちをだまして勝てない戦争をやった。原発でもだまそうとしているのか」との思いは強い。

「生の人間が演じることで、活字では伝わらないものも表現できる。テーマ性の強い内容だが、幅広い人に見てほしい」と訴える。

午後6時半から。全席自由で一般前売り4千円、当日4500円。問い合わせは、青年劇場電話03(3352)6922。

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