
県内最大の工業技術・製品の総合展示会「テクニカルショウヨコハマ2013」(第34回工業技術見本市)が6日、横浜市西区みなとみらいのパシフィコ横浜で始まった。企業や団体の出展数は過去最多の498。昨年同様、東日本大震災の経験を踏まえた防災や省エネルギー分野への出展に加え、成長が期待されている医療・福祉分野で技術や製品をアピールする企業が目立っている。8日まで。
県や横浜市、神奈川産業振興センター(KIP)、横浜市工業会連合会が主催。県内からは330社・団体の出展があり、加工技術や機器、装置などの生産分野での展示が多いという。
段ボール製品を手がけるニッパ(横浜市港北区)は震災をきっかけに、体育館など公共施設に避難している被災者向けの「ダンボールシェルター」を開発。共同生活を送る被災者のプライバシー確保を目的に、寝室や更衣室、診療室など幅広い用途で使用できる。同社営業課の寺沢直夏さんは「今年は防災が大きなテーマ。段ボールなので保温性に優れているほかコンパクトに収納できる」とPRする。
湘南エスピイ産業(藤沢市)は袋タイプの緊急用簡易トイレを開発した。袋に入ったポリマーが尿などの水分を吸収し、ゼリー状に固まる仕組み。袋はポケットに入るサイズに折り畳まれて包装されており、災害発生時や介護用など幅広い用途で使用できる。
また、災害時に見落とされがちなのが、病気などで食事制限をしている人向けの食生活。オトコーポレーション(小田原市)は、慢性の腎臓病患者向けに、タンパク質を抑えた缶詰タイプのパンを開発。現在は保存性などを確認する作業を行っており、今春にも発売する予定という。
一方、同展示の花形ともいえるのが生産分野。高い金属加工の技術を生かして、自動車部品などを製造する日の出製作所(川崎市川崎区)は、ラジコン型ロボットの組み立てキットを製造した。「自分で改造することもできるので、多くの人にものづくりの魅力を知ってもらいたい」(技術部の担当者)
また、刃が回転する草刈り機で独自の方式を開発したのが弁慶ワークス(藤沢市)。金属製の刃にナイロンのひも状の刃を取り付けて“ハイブリッド化”。金属の刃が硬い物に当たって欠けたりする危険性を低減した。
同社の冨田立郎社長は「果樹園を営んでいる経験から生まれた商品。狭いところも安全に刈れる」と話していた。横浜信用金庫も出展し、中小企業の経営者向けに後継者への事業承継や産学公連携などの相談会を開いている。
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