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“幻の果樹”を大井の名物に、南米原産「フェイジョア」 スイーツにアレンジで活路/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2013年1月1日(火) 20:25

大井町相和地区の丘陵地で栽培されるフェイジョア。実はウメに似ている
大井町相和地区の丘陵地で栽培されるフェイジョア。実はウメに似ている

大井町の相和地区で育つ南米原産の果樹「フェイジョア」。味は洋ナシ、香りはバナナやパイナップルに似ているが、人気が出ず“幻の果樹”として長く日陰を歩いてきた。ところがこの冬、町や町商工振興会などがスイーツにアレンジし、その可能性に注目が集まり始めた。そもそも、なぜ幻となったのか。酸いも甘いもかみ分けた生産者に聞いた。

「香りは良いんだけど、生で食べたら味はいまいちだった。うちでも畑の隅にあるよ。生命力が強いんだ」。大井町相和地区の「四季の里直売所出荷組合」副組合長、武松廣之さん(66)が果樹園を案内しながら説明してくれた。

国内には1930年ごろ入ってきたというフェイジョアが、相和地区で栽培されるようになったのは60年代後半。ミカンの価格下落がきっかけだった。

「ミカンが手間の割に収入に結び付かなくなってどうにかしようとなった。そこで勧められたのがフェイジョア。枝打ちなんかしなくていいし、収穫は落ちた実を拾うだけ。年寄りでもできるって触れ込みでみんな栽培を始めたわけ」。高度成長に伴い、後継者問題がささやかれ始めたころだった。

だが、なかなか定着はしなかった。「出荷しても消費者が買ってくれない。それに実がなるまでに10~15年かかる。そのうちにキウイが人気になっちゃって」

フェイジョアは伐採しても根が強く新芽が次々と出てくるため、畑の一角で「ただ生えているだけ」(武松さん)の時間が長く続いた。「もったいないからって売りに出しても買ってもらえない。ずっと直売所に残ってて値下げしてもまだ売れ残っていた」。一転、畑の厄介者のような存在になってしまった。

そんな日陰の存在に、ようやく光が差した。町や町商工振興会などが進めるスイーツ開発プロジェクト。武松さんからの依頼で、町内の菓子職人らがジャムにしたり、まんじゅうに練り込んだりと試行錯誤を重ねた。

その一人、深瀬恵一さん(34)は「砂糖と混ぜたら味が良くなった。ほかのフルーツと混ぜてもアクセントになる。うまく加工すれば定着するはず」。瀬戸和浩さん(38)も「大井町に38年住んでいるけど知らなかった味。ジャムにしても、ケーキにしてもいい。広まらなかったのが不思議」と可能性に太鼓判を押す。

スイーツとして味わった町民も「まったく知らなかったけど、香りが強くておいしい。また食べたい」と上々の反応だった。

過去のいきさつを踏まえ、「これを新たな収益の柱にしようなんて思いはない」と言う武松さんだが、「ミカンやリンゴなどさまざまな果物を栽培できるこの地域は器用貧乏というか、これという特産物がない。だから、大井の名物と言える存在になってくれれば」と期待もしている。

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