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横浜事件の元被告遺族、賠償求め国提訴「夫らの名誉回復を」/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2012年12月22日(土) 00:06

戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」で、再審で免訴判決が確定した元被告の遺族2人が「名誉回復を全く伴わない免訴判決は違法」などとして、国に対して計1億3800万円の損害賠償を求める訴えを21日、東京地裁に起こした。

事件は1942年から終戦にかけて発生。雑誌編集者らが共産主義活動をしたとして、県警察部特高課(当時)に治安維持法違反容疑で逮捕され、30人以上が有罪となったが、再審で免訴判決を受けた。2010年2月の刑事補償決定では、横浜地裁が「実体判断が可能ならば被告は無罪だった」とし、冤罪(えんざい)との判断を示した。

訴状などによると、原告は「刑事補償決定は、戦前の起訴と判決が誤りだったことを明らかにしたにとどまり、元被告らの名誉を回復する内容ではなく、被害は放置されている」と主張。

当時の刑事司法手続きについても「拷問を行い、嫌疑がないにもかかわらず起訴を強行し、訴訟記録を意図的に焼却して再審請求の権利を妨げた」などとし、当時の警察、検察、裁判官の行為はいずれも違法だったとしている。

元被告の木村亨さんの妻まきさんは「夫は不当逮捕後、激しい拷問を受け、虚偽の自白をせざるを得なかった。それだけでなく、国は保管義務のある裁判資料を焼却という方法で隠した。こちらに落ち度は全くない」と訴える。

第3次再審請求の約1カ月前の1998年7月、亨さんは82歳で亡くなった。まきさんは「国の一連の不法行為を問い、夫らに代わり、名誉回復をしたい」と話した。

◆横浜事件 1942年から終戦にかけ、雑誌編集者や新聞記者ら60人以上が共産主義活動をしたとして、県警察部特高課(当時)に治安維持法違反容疑で逮捕された事件。横浜市内の警察署で取り調べられたことから名付けられた。30人以上が起訴され、有罪判決を受けた一方、戦後、特高課員3人が拷問を加えたとして有罪判決を受けた。元被告や遺族らは86年以降、4度にわたって再審を請求。3次、4次請求について、横浜地裁は2006年と09年、有罪無罪を判断せずに裁判を打ち切る免訴判決を言い渡し、確定した。10年2月、同地裁は、共産主義活動の不存在や虚偽自白を理由に「実体判断が可能なら元被告5人は無罪」と認定。遺族に刑事補償金が支払われた。

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