水産業で誘客を 市内で取り組み本格化、釣り教室や地場産品販売/横須賀
社会 | 神奈川新聞 | 2012年10月16日(火) 22:18

水産業を活用した誘客や地場水産品のブランド向上に向けた取り組みが、横須賀市内で本格化している。初心者向けの海釣り教室や、市が整備を進める地元産の物販拠点を通じて、「横須賀で魚が豊富に捕れることが知られていない」(水産品卸売り)事態を打開する狙い。水産事業者は魚価の低迷と燃料価格の高止まりに悩んでおり、価格適正化への期待もある。
「カワハギで食べられないのは皮ぐらいだけ。鍋で煮付けても、酒蒸しにしてもおいしいです」
14日、横須賀・長井漁港。カワハギ釣り教室を終えて下船した親子連れ40人に、漁師がさばき方を実演した。カワハギは長井では漁港のすぐ外側で釣れる。旬となる冬場はこれからだ。
横須賀市は誘客促進策の一環として、未経験者を対象にした海釣りのイベント「横須賀フィッシングプロジェクト」を実施中。市外からの参加者も多い。
長井で水揚げ量が多いのはイカやサバなどで、大消費圏に近い立地が武器だった。ただ最近では流通技術の進展で、遠方の大型漁港からも鮮度を保ったまま運べるようになっている。「活魚でも横須賀独自のブランドを育てる必要がある」との声が、地元の漁師には少なくない。
横須賀市が2013年3月の開業を目指す「地産地消マーケット」(仮称)にも、水産関連の5事業者が出店する。横須賀市東部漁業協同組合は「市場に出回らなくても美味なものは地場産に多い。目と鼻の先にある拠点に持っていければ流通させやすい」としている。
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