1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 嗅覚は命救う切り札 横浜の救助犬訓練士が震災にも出動、普及へ奔走/神奈川

嗅覚は命救う切り札 横浜の救助犬訓練士が震災にも出動、普及へ奔走/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2012年9月9日(日) 19:11

足場の悪い高所を歩くあかねと大島さん=横浜市泉区の大島ドッグトレーニングスクール
足場の悪い高所を歩くあかねと大島さん=横浜市泉区の大島ドッグトレーニングスクール

東日本大震災で行方不明者の捜索に活躍した災害救助犬。横浜市瀬谷区の訓練士大島かおりさん(48)は、県内で育成に取り組み、自ら訓練した愛犬と被災地に出動した。嗅覚を生かした人命救助の切り札として、警察をはじめ消防や自衛隊など災害救助の第一線からも注目される救助犬。その普及に向けて奔走している。

震災発生の翌日。大島さんは、自身が訓練した県警の嘱託犬「あかね」(メス10歳)とともに被災地に入った。警察庁の依頼を受け、宮城県山元町などで2日間、救命活動に参加した。生存者を見つけることはできなかったが、「家族はあらゆる手を尽くしたいと望んでいる。災害救助犬が捜索し、『ここにはいなかった』という一つの結果が出ることもまた、意味があると感じた」と振り返る。

幼少時代からの動物好き。高校卒業後、犬の訓練士を目指して、住み込みで訓練所に弟子入りした。主に家庭用のペット犬をしつけていたが、1995年の阪神大震災が転機となった。世界各国から続々と来日する災害救助犬の映像を見て、心を動かされた。「地震が多い日本にこそ必要。訓練士のノウハウを生かして社会の役に立ちたい」

99年に国内の主要な関連団体「NPO法人救助犬訓練士協会」の設立に参加し、本格的に活動をスタート。訓練士自身が飼っている犬を鍛えるほか、関心を持つ一般の飼い主に訓練方法を教える。箱の中に隠れている人を捜させたり、出口の見えないトンネルを通過させたり、足場の悪い高所を歩かせたり―。災害現場を想定した訓練を積み重ねる。

大島さんはこれまで、7頭の災害救助犬を育成、鹿児島や長野の土石流災害のほか、台湾やスマトラ島沖の震災現場にも出動した。

東日本大震災では、がれきの山に分け入り、家族や友人を必死に捜す被災者を前に、災害救助犬の少なさをあらためて実感した。「犬がいることで生存者発見の確率が上がる。現場で捜索に携わる人たちの疲れを癒やし、モチベーションの維持にもつながる」と強調する。

東日本大震災前から、同協会は自衛隊と合同で、警備犬を使った人命救助の訓練を行っていたが、震災以降は消防からの関心も高まった。今年3月には、横浜市消防の自主勉強会で、災害救助犬の活動内容などを講義し、訓練を実演した。

「嗅覚という犬の持つ能力を有効活用すれば、より多くの命を救うことができる」と大島さん。「世界では多くの災害救助犬が活躍している。日本でも増やしていきたい」と話している。

◆災害救助犬

がれきなどに埋まっている人がいないかどうかをかぎ分け、訓練士などに知らせる。救助犬訓練士協会によると、犯罪捜査などにあたる警察犬は、原臭を元に特定のにおいを追跡するのに対し、災害救助犬は、倒壊家屋など障害物の下敷きになって居場所が見えない、または動かない状態にある不特定多数の人間のにおいを探すように訓練されている。県警は2012年度、民間で飼育する犬7頭に職務を嘱託、警察庁によると、鹿児島、熊本、和歌山に次いで全国4番目。

【】

救助犬、警察犬に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング