ハワイに移住した日系人の2世が向き合ってきた実情を描いたドキュメンタリー映画「Go for Broke!(あたって砕けろ!) ハワイ日系二世の記憶」が8日、JICA横浜・海外移住資料館(横浜市中区)で上映される。過酷な労働、差別、日米開戦―。苦難を乗り越えた歴史と南国に息づく日本人の心意気を、年老いた2世たちの証言で伝えている。
「仲間が『お母さん』と叫びながら死んでいった…」。第2次大戦中、米陸軍の日系人部隊に所属していた男性が、過酷な体験を穏やかな口調で語る。
プランテーション時代の名残が色濃い1940年代。過酷な労働の一方で和やかな子ども同士のつながりの中にも、出身地や混血に対する差別がはびこっていた。
真珠湾攻撃に始まる日米開戦では、敵国・日本の言葉と文化を受け継ぎつつ、米陸軍の部隊に志願。計り知れない犠牲を払いながら欧州戦線などで功績を残し、後に市民権を勝ち取っていったという。
今もハワイで余生を過ごす80代後半から100歳近い日系2世が「証言者」となり、当時の写真や手回り品とともに半生を振り返っている。ハワイアン音楽に合わせ、移住者たちの暮らしぶりも紹介している。
制作したのは、鎌倉市で日系移民の支援活動を続けるNPO法人代表の松元裕之さん(48)。
「2世の精神に根付く道徳心を、今の日本人に意識してほしい」と、34人の足跡を100分の映像に収録、ハワイの映画祭で入賞する作品に仕上がった。
8日の上映会は午後2時半から。入場無料。
問い合わせは同資料館電話045(663)3257。
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