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渡り鳥は豊かさの証し、湘南タゲリ米の里が水と緑の拠点百選に/茅ケ崎

社会 | 神奈川新聞 | 2012年9月7日(金) 13:08

三翠会代表の鈴木さんと湘南タゲリ米を育む田んぼ。背後に新湘南バイパスが走る=茅ケ崎市西久保
三翠会代表の鈴木さんと湘南タゲリ米を育む田んぼ。背後に新湘南バイパスが走る=茅ケ崎市西久保

茅ケ崎市西久保地区に広がる約5万平方メートルの小さな水田地帯「湘南タゲリ米の里」がこのほど、「関東・水と緑のネットワーク拠点百選」に選ばれた。渡り鳥「タゲリ」が飛来し生物多様性が保たれた田んぼを守ろうと、自然保護団体「三翠会」が地元農家の協力を得ながら「湘南タゲリ米」の販売などを行ってきた実績が評価された。

垂れ始めた稲穂が一面に広がる先に、新湘南バイパスが横切る。都市近郊の水田を象徴する光景だ。

西久保地区はタゲリの越冬地で、田んぼのミミズや越冬幼虫が餌となっている。同会代表の鈴木國臣さん(70)は「田んぼが農薬まみれだと虫は死んでしまう。タゲリが来るのは自然いっぱいの米づくりをしている証拠」と話す。

同会は鈴木さんのほか、野鳥の会の活動を行っている人、図鑑の魚や鳥を描く画家などで2000年に設立。当時は田んぼの一部がバイパスの用地に変わり、農家の高齢化により休耕田も目立ち始めていた。

「田んぼとタゲリの減少は比例する。だが、農家に『田んぼを守ってください』と言うだけでは不足している」。危機感を持った同会は、同地区の新米のブランド化を考案。農家から市価より高く買い取って販売し、米づくりを支えようと考えた。

「米を食べることで豊かな自然を守る」という考え方は、環境保護に関心の高い消費者から支持を得た。1年目の01年は地元農家5軒が参加し、500キロを完売。昨年の参加農家数は23軒で、販売量は2・5トンまで伸びている。

だが、タゲリの飛来数自体は減少している。毎年12月の特定の一日に行っている定点観測で、00年は65回確認されていたが、昨年はゼロに。観測日以外にタゲリの姿は確認されているが、減少傾向は顕著だ。「バイパス工事の溶接の火花や工事音などの環境を嫌っているのではないか」。鈴木さんはそう推測する。

タゲリの飛来数だけを増やすという方向性を、同会はとっていない。タゲリは同地区のシンボルとし、「他の生物たちも含めた全体の生物数を増やし、環境を再生させよう」と活動を位置づけた。08年には田んぼ内にビオトープをつくりアオサギやコサギも訪れている。

今回の選定は、同会の活動が評価されただけでなく、同地区が将来に残したい自然環境豊かな地域として認められた意味を持つ。鈴木さんは「荒れた地が西久保になくなり、農家に米をつくる誇りも生まれた。生産者の場が認められた点がとてもうれしい」と笑顔を見せる。

今年の新米の予約は10月末まで。品種はキヌヒカリで、5キロ3500円。問い合わせは電子メールinfo@sannsuikai.eco.to

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