
秦野市南矢名の瓜生野(うりゅうの)地区で室町時代に始まったといわれる盆の伝統行事「瓜生野百八松明(ひゃくはったい)」が14日夜、行われた。五穀豊穣(ほうじょう)と悪疫退散を祈る行事で、1975年に市の無形文化財に指定されている。
住民らでつくる保存会の約50人が、麦わらを使って長さ2~3メートル、直径30センチほどの太さに束ねたたいまつを作り、権現山(標高243・5メートル)の山頂に運んだ。日が沈むと、子どもたちを先頭に、火の付いたたいまつを担いで下山。約30分かけて麓の龍法寺門前に着くと、大勢の見物客の前でたいまつを勢いよく振り回した。
その後は、近くの広場で江戸時代から伝わる「瓜生野盆踊り」が行われた。
市教育委員会の文化財班は「県内には各地で火祭りや迎え火の行事があるが、これだけ大きなたいまつを担ぐために作る地域は珍しい」としている。
小学生のころから参加している会社員小澤倫明さん(35)は「気持ちよくたいまつを回すことができた。長く続いている伝統行事なので、次の世代にも伝えていきたい」と話していた。
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