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命懸けで登山者守る、松田署山岳救助隊の訓練に同行/神奈川

社会 | 神奈川新聞 | 2012年6月22日(金) 11:49

沢での滑落を想定し、急峻(きゅうしゅん)な斜面で訓練を積む山岳救助隊員=山北町中川の大滝沢
沢での滑落を想定し、急峻(きゅうしゅん)な斜面で訓練を積む山岳救助隊員=山北町中川の大滝沢

山岳遭難の最前線で、登山者の命を守るのが山岳救助隊だ。西丹沢の険しい山地を管轄する松田署は週末を中心に登山道を巡回し、注意喚起に努めているが、遭難は後を絶たない。万一に備え、訓練を重ねる同署山岳救助隊に同行し、第一人者の副隊長相田一己警部補(46)に思いを聞いた。

5月下旬、山北町中川の大滝沢で行われた訓練。「ゆるめ、ゆるめ」と掛け声を掛けながら、隊員がロープを伝い、ゆっくりと沢を下りていく。指揮を執る相田さんは20年間、西丹沢の山岳救助に携わるエキスパートだ。

救助隊員は、隊長以下20人。訓練を兼ねて週末を中心に西丹沢の山を巡回するほか、年に数回、岩場や沢で訓練を積む。ただ、日ごろは交番やパトカーで勤務している隊員が多く、「実際の救助現場を通じて必要なスキルを身に付けている」という。

登山客が天候の悪化や帰りのバス時間を気にして焦り、当初予定のルートから外れてしまう例は少なくない。焦燥感から足元の危険を見落とし、滑落などの重大な事故に至るケースもあるという。

記者が同行した日に隊員が行ったのは、滝つぼに落ちた登山者を引き上げる訓練。周囲の樹木にくくりつけたロープを頼りに隊員が約15メートル下まで斜面を下り、遭難者役の隊員を背中に背負う。命綱を巻いてはいるが、危険と隣り合わせの訓練。額には汗がにじむ。

小雨がぱらつく中、足元はおぼつかない。記者もぬかるんだ斜面に足を取られ、首に掛けていたカメラを滝つぼへと落としてしまった。「命があっただけでもいいと思わなきゃ」。相田さんの言葉は重い。

シーズン本番を迎え、救助隊の出動は増えている。4月には、動けなくなった登山者を担架に乗せて4時間半かけて麓まで運んだ。途中で日没となり、懐中電灯の細々とした明かりで山道を照らしながら50メートル間隔でロープを張り、1千メートル超の地点から少しずつ下りていったという。

「自分たちが遭難しないことも大事。どんな悪条件の中でも活動できる技術力が求められる」。そう指摘する相田さん自身、濁流に押し流されたクライマーを目前で救えなかった苦い経験がある。救助隊に入ったばかりの1997年7月。峡谷を250メートルほど下り川に近づいたものの、増水していたため渡れず、クライマーは帰らぬ人となった。「助けてもらえるという家族らの期待は大きい。技術を磨き、しっかりとした装備をしなければと痛感した」と振り返る。

相田さんは「技術とともに、これまでの経験を他の隊員に伝えていきたい」と話している。

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