
【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市人権男女・共同参画室は「ヘイトスピーチ、許さない。」と宣言する啓発ポスターの掲示を同市中原区の武蔵小杉駅で始めた。駅近くの市総合自治会館で25日、在日コリアンの排斥を叫ぶヘイトデモに参加してきた人物の講演会が開かれることから「啓発が必要だと判断した」と話している。
JR武蔵小杉駅と東急武蔵小杉駅を結ぶ連絡通路と中原区役所の屋外掲示板などに計9枚を22日から貼り出した。法務省人権擁護局が作成したもので、ヘイトスピーチは人の尊厳を傷付け、差別意識を生じさせると説明。差別的言動を「許されない」と明記したヘイトスピーチ解消法が施行されたことを知らせている。
講演するのは、極右政治団体「日本第一党」最高顧問で人種差別・排外主義を唱える瀬戸弘幸氏。同室は「本市は差別と偏見のないまちづくりを進めており、機会を捉えて啓発活動を行っている。今回の掲示も法の趣旨を踏まえたもの」と説明する。
ヘイト対策の一つとして2月に開設したフェイスブックでは写真入りで掲示の様子を紹介。「すべての人が互いに認め合う多文化共生社会を共に築いていきましょう」との文章を添えている。