
県警初の女性副署長として、警視の綿引緑さん(52)が13日、加賀町署(横浜市中区)に着任した。管轄内は官公庁や中華街などを抱える。「横浜の顔とも言える地域で、誇らしく身が引き締まる思い。後輩が後に続くよう全力で挑みたい」と抱負を語った。
「はい、副署長です。初めまして。よろしくお願いします」
午前11時10分。テレビ局から事件事故の発生について問い合わせる電話が初めて掛かった。報道対応は、警察署の広報を担う副署長の仕事の一つ。受話器を置くと、表情が和らいだ。
任官は1982年。戸塚署、緑署などで経験を積み、加賀町署では2002年に交通課長に就いた。県警本部では交通や地域部に勤務。県への出向もある。
経歴には「女性初」がついてきた。97年、平塚署の地域課長に就いた時、電報を受け取った。「これからも女性のポストを拓(ひら)いていってください。応援しています」。面識のない県警OGの励ましがうれしかった。
交通畑が長い。飲酒運転の課題を探ろうと、07年に久里浜アルコール症センター(横須賀市)との共同研究に参加した。得られたのは、飲酒運転とアルコール依存症の関連を示す全国初の調査結果。飲酒運転者への教育を見直す足掛かりとなった。
「女性の先輩方の努力の上に、副署長の任に就かせていただいた。全力を尽くしたい」と言葉に力を込めた。
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