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横浜・やけど3歳女児放置
「重篤な事態となったのは残念」 市は虐待の兆候を把握

事件事故 | 神奈川新聞 | 2019年3月6日(水) 05:00

大やけどを負った状態の長女が発見されたアパート=横浜市鶴見区(画像の一部を修整しています)
大やけどを負った状態の長女が発見されたアパート=横浜市鶴見区(画像の一部を修整しています)

 長女(3)への保護責任者遺棄容疑で母親と交際相手が逮捕された事件で、横浜市鶴見区が1年ほど前から長女らを見守り、身体的虐待とみられる兆候も把握していたことが5日、分かった。専門家は行政と関係機関との連携の重要性を改めて指摘する。

 母親らの逮捕を受け、市の担当者らが5日、市役所で会見し、明らかにした。

 市によると、母親と長男(5)、長女、親族の4人は埼玉県草加市から同区に転居した。草加市から「母親が子どもを連れて転々とする可能性がある」との情報を引き継いだ区は昨年6月、きょうだいを児童福祉法に基づく「要保護児童」に登録、保育園を通じて長男を見守るなど支援を始めた。

 昨年11月、親族が「(母親が)子どもを怒鳴ったり、お尻をたたいたりする」と中央児童相談所に相談。区と児相の職員が同月12日に母親と面談した際、長女の頬にあざがあるのに気付いた。母親は「長男とけんかした」と説明。「長女はおむつが外れるのが遅い。子育てでイライラすることがある」とも話したという。

 児相は今年1月、区が子育ての観点から支援するのが適切なケースと判断し、支援終了を決定。その約2週間後、長男の通う保育園から「昨年12月26日を最後に登園していない」と区に連絡があった。区職員が1月30日に訪問したが、交際相手が「母親は体調不良」と説明。きょうだいは見る限り、目立った外傷はなかった。その日を最後に、母親と連絡も取れなくなった。

 きょうだいは4月から同じ保育園に通う予定だったが、3月2日の説明会に母親は姿を見せず、区は4日も母親との接触を試みていたという。

 担当者らは「重篤な事態となったのは残念」としつつ、「区と児相が連携して対応した」と説明。児相の支援終了の判断も間違っていないとの認識を示した。

 県立こども医療センター患者家族支援部長の田上幸治医師(50)は事件の背景に「行政によるワンストップ対応の難しさ」を挙げ、「市区町村が教育機関や医療機関、警察などと連携し情報共有を図ることが重要」「あざを発見した段階で、医療機関につなげる必要もあったのではないか」と指摘した。

5歳兄がSOS「ママがいなくなった」

 「ママがいなくなった」「家には帰りたくない」-。大やけどを負った長女(3)を自宅に放置したとして、母親と交際相手の男が逮捕された事件。発覚の端緒は、長女の兄に当たる長男(5)が近所の男性(49)に発したSOSだった。

 
 

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