第2次世界大戦末期の1945年5月、米軍の無差別絨毯(じゅうたん)爆撃で1万人ともされる犠牲者が出た横浜大空襲から、29日で78年を迎える。身近な戦争の記憶を風化させず次世代につなぐ取り組みを考える。
同窓という共通項が、過去との距離を縮めたのかもしれない。昨年5月、横浜市中区の高齢者施設。同市立横浜商業高校(南区、Y校)の卒業生ら若者でつくる有志団体「NGOグローカリー」の車塚蘭さん(24)=同市港南区=は、メモが追い付かないほどの証言に圧倒されていた。
語り手は、Y校OBで78年前の横浜大空襲時は西区の造船所に動員されていた岡野利男さん(94)。同じ学びやを卒業したばかりの16歳が見た「真っ赤」な遠景、空襲後の静けさ、自分ともなじみ深い道や地名─。足元の歴史がリアルに迫ってきた。
「戦争は日常の中にある」
横浜大空襲78年 70歳年上の先輩の体験 自分事と考え
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フィールドワークで大通り公園の平和祈念碑を訪れた車塚さん(左から2人目)、鈴木教諭(右)=27日、横浜市中区 [写真番号:1161556]