
神奈川大サッカー部の食堂を「カフェ」として地域に開放する試みが今月、横浜市緑区の竹山団地で始まった。部員が腹ごしらえをする朝と夕以外の「空き時間」を生かし、カレーやパンなどのメニューを提供。介護予防教室など住民の高齢化に対応したプログラムも展開する。部員は運営にも関わる予定で、「責任を持って地域活性化に取り組みたい」と意気込む。
「本日オープンしました」「月曜日はカレーを販売しています」
17日、団地内の竹山団地中央商店街に誕生した「KU食堂」。店先に立つ部員たちの元気な声に加え、スパイスが効いたカレーの匂いに誘われ、買い物を終えた住民が入っていく。
区内に練習拠点があるサッカー部は、県住宅供給公社と協定を結び、2020年度から竹山団地を部員寮として活用してきた。エレベーターがないため、高齢者が住むのに不向きな4、5階の計20室に本年度から4学年がそろい、約60人が共同生活を送っている。
1971年に入居が始まった同団地は活性化が大きな課題だ。最盛期には約1万人が居住していたが、現在は約6500人ほどに減少。65歳以上の割合も約45%と高く、部員には住民や地域をつなぐ役割が期待されている。
曜日ごとにプログラム
神奈川大サッカー部が食堂開放 高齢化進む地域の活性化
竹山団地にオープンした「KU食堂」。学業や部活の合間を縫って神奈川大のサッカー部員も運営に当たる [写真番号:1155025]
「KU食堂」でカレーを食べる住民。「若者たちのこうした取り組みはありがたい」と話していた=17日、横浜市緑区 [写真番号:1155026]