友人同士で声かけし、還付金詐欺被害を防いだとして、田浦署は5日、横浜市の高橋啓子さん(72)と稲田紀子さん(66)に感謝状を贈った。
自宅が近所で40年来の友人という2人は2月中旬、立ち寄った横須賀市内のATMで、スマートフォンのスピーカーから男の指示を受けながら画面を操作する80代男性を見かけた。詐欺被害を心配して声をかけ続けたところ、スピーカーから聞こえる口調がだんだん荒くなり、「他の人は気にしなくていい。早く暗証番号を入力しろよ」と怒鳴りだした。
2人は詐欺と確信し、110番通報。稲田さんは男性のスマホの通話終了ボタンを押した。田浦署員が駆け付け、男性は振り込まずに済んだ。
県内では2月末時点で、特殊詐欺被害が182件(前年同期比39件増)、被害額3億7600万円(同1億7300万円増)と急増している。2人もかつてそれぞれの自宅に前兆電話があったものの、機転を利かせて撃退したという。「被害を防ぐことができて、本当に良かった」と話していた。