強制不妊、国に賠償命令
社会 | 共同通信 | 2023年3月16日(木) 15:42
旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強制されたとして、札幌市の小島喜久夫さん(81)が国に3300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁(大竹優子裁判長)は16日、請求を退けた一審札幌地裁判決を取り消し、1650万円の賠償を命じた。国への賠償命令は大阪、東京に次いで高裁で3件目で、地裁も含めると6件目。旧法を違憲とし、不法行為から20年がたつと損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用を認めなかった。
同種の訴訟は全国11地裁・支部に起こされている。小島さんは実名を公表した最初の原告。3件の高裁判決はいずれも賠償請求を棄却した一審判決を覆しており、政治的解決を求める声が強まりそうだ。厚生労働省は「内容を精査し、適切に対応したい」とのコメントを出した。
大竹裁判長は判決理由で「国は違法な立法と施策で障害者に対する根強い差別や偏見を助長した」と非難した。
強制不妊、国に賠償命令
旧優生保護法を巡る国家賠償請求訴訟の控訴審判決を受け、「勝訴」と書かれた紙を掲げる原告の小島喜久夫さん(中央)=16日午後、札幌高裁前 [写真番号:1146642]