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東日本大震災12年
被災者が語る3月11日 「別世界に来た感覚だった」

社会 | 神奈川新聞 | 2023年3月12日(日) 11:50

震災遺構として保存されている南三陸町の防災対策庁舎。奥に見える白い建物が高野会館=2月8日、宮城県南三陸町

 東日本大震災の津波で大きな被害が出た宮城県南三陸町では、800人以上が死亡、行方不明になった。あれから12年。苦難の日々を経て前を向き始めた人たちの胸には、さまざまな思いが去来している。

古里取り戻したい 大沼ほのかさん(24)

東日本大震災当時12歳だった大沼ほのかさん。「南三陸のためにできることは何でもやりたい」と話す=2月8日、宮城県南三陸町

 「12歳で被災して、もう12年。一回り大きくなりました」

 震災当時、海に近い南三陸町歌津地区の小学校に通っていた大沼ほのかさん(24)にとって、災後の歩みは自らの原点を見つめ直す旅でもあった。

 卒業式を1週間後に控えていたあの日。突然の激しい揺れでロッカーからランドセルが音を立てて飛び出した。「机の下に入れ」。担任は倒れそうなロッカーを必死で押さえ、叫んだ。訓練通りに頭を机の下に隠し、どうにかやり過ごした。

 揺れが収まり、校庭へ向かうと、避難してきた近くの住民が「津波が来る。もっと上へ逃げろ」と声を上げた。泣きじゃくり、歩けなくなった下級生の手を引っ張り、坂を駆け上った。

「あの時無視していたら…」

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