結婚、出産など機に
8日の「国際女性デー」に合わせ、神奈川新聞社では「女性とキャリア」に関するアンケートを実施した。女性であることを理由に夢だった仕事を断念したり、職場での昇進を諦めたりした経験が「ある」または「経験した人が身の回りにいる」と回答した人は約半数に上った。結婚や出産などライフステージの変化で仕事を辞めざるを得なかったり、女性を理由に専門職に就けなかったりしたなど、さまざまな声が寄せられた。
オンラインで実施したアンケートには、県内を中心に202人(男性70人、女性128人、性別無回答4人)が回答した。仕事や昇進を「諦めた経験がある」とした94人からは、建設業や消防士などの職業が挙げられたほか、社内の管理職昇進や海外赴任を断念したことが明かされた。
横浜市旭区のフリーランスの男性(64)は「すし職人になりたかったが、女性であることを理由にかなえられなかった」という女性が身の回りにいるとし、「慣習や文化などを伝承するのに、性別を理由に門戸を閉ざすことがあってはならないと思う」と寄せた。
介護職員として勤める大和市の50代女性は「妊娠してから電車通勤が辛(つら)かったが、産休などの対象にならず辞めざるを得なかった」と吐露。出産後、職場に復帰したが「子どもの都合で休むことが多く、職場に迷惑をかけることを気にして辞めた。バリバリ働きたかったが、そうもいかない現実が辛かった」と答えていた。
(沢村 成美)
アンケートは「#metoo #youtoo」取材班が「追う! マイ・カナガワ」にLINE登録した友だちを対象に2月24~27日に実施。202人から回答を得た。無作為抽出した世論調査とは異なる。
国連が定める「国際女性デー」(3月8日)に合わせ、神奈川新聞社は企画記事を掲載します。
世界経済フォーラムの男女格差報告「ジェンダー・ギャップ指数」の2022年版で、日本は146カ国中116位と低迷しています。女性差別のない社会を目指し、私たちと一緒に考えてみませんか。(「#metoo #youtoo」取材班)