
駅から離れた三浦市・三崎地区で、夜間のタクシー不足が深刻化している。
人手不足のため地元のタクシー会社が夜の営業を取りやめて以来、さらに利用しづらい状態が続く。飲食店関係者からは「客足が遠のいてしまう」と悲鳴が上がっている。
三崎地区に本社を置く創業80年余のタクシー会社、いづみタクシー(同市天神町)は昨年夏から、午後7時以降は車を走らせていない。それまでは午前2時まで営業していた。
縮小の理由はドライバー不足と乗客の減少だ。同社は17台のタクシーを所有しているが、人手不足で稼働台数を13台に絞っている。ここ10年は新人が入らず、ドライバーの高齢化も進む。
さらに新型コロナウイルスが追い打ちをかけた。感染が拡大した2020年から、飲食店の時短営業などで夜の乗客がめっきり減った。20年度の売り上げはコロナ前の3割に落ち込み、景気が回復してきた22年度も5割程度にとどまる。
八木達也社長は「市民の足ということで悩んだが、朝昼のお客さんに迷惑をかけないよう、日中に稼働を集約した」と苦渋の決断だったことを明かす。