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視覚障害でも楽しめるバレー考案 横浜の96歳元教員死去

社会 | 神奈川新聞 | 2023年1月16日(月) 05:00

自宅でほほえむ田中四郎さん=2022年12月20日、横浜市神奈川区

 横浜市立盲特別支援学校(同市神奈川区)で視覚障害を抱える生徒のためにフロアバレーボール(当時は盲人バレー)の基礎を考案した元教員の田中四郎さんが8日、亡くなった。96歳だった。自身も進行性の目の病を患いながら、「生徒の笑顔のために」と尽力した意思は、いつまでも消えることはない。

 フロアバレーは、前衛3人と後衛3人でレシーブ、トス、アタックをつないで3打以内に相手コートにボールを返す球技。ボールは空中に浮かせず、床に転がしてネットと床面との約30センチの隙間に通す。前衛選手はアイマスクかアイシェードを着用し、視界がない状態でボールの転がる音やシューズの摩擦音、味方の声を聞いて試合状況を把握していく。「見える・見えない」の壁がなく、視覚障害がない人とも一緒にプレーできるスポーツだ。

 田中さんは島根県で生まれ、鉄棒や跳び箱が好きな子どもだった。転機は小学5年生、徐々に視力が低下し、医師から網膜色素変性症の診断を受け、「将来失明します」と宣告された。

 それでも、活発な田中さんは教員を養成する師範学校を卒業後、24歳で地元の小・中学校の体育教員になった。5年後には体操競技の腕を磨きたい思いと大学への憧れから、日本体育大学に進学。専門的に体育について学び、卒業後は横浜市立盲特別支援学校に就職した。「目が不自由だと普通の学校ではやっていけない」。視力はさらに低下し、出歩くにはステッキが必要となった。少しでも暗くなると周りは見えなくなったが、視覚障害を抱える中学生に体育を教えていた。

何を見てひらめいたのか

 
 

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