土のうに代わる浸水害対策として、平塚市内にある古河電気工業平塚事業所(同市東八幡)で開発された止水板が注目を集めている。防水性と収納力、設置の機動性に特化し、被災者や自治体、防災関連団体のヒアリングと実証実験を経て昨年6月に発売した。担当者は「ニーズを集約して製品化した新たな試み。県内をはじめ、多くの人々に貢献し防災力向上に寄与できれば」と期待を寄せている。
建設現場における高齢化対策や省力化に応える技術を開発してきた同社が、自然災害などにおける浸水害対策に着目した。インフラ整備を進めてもそれを上回る近年の台風や集中豪雨にみられる自然の猛威に対抗するには、個人のソフト対策も併せて必要だという声が防災団体や民間のヒアリングからも寄せられていた。同事業所が得意とする樹脂加工技術を生かし、これまで企業向けに担ってきた住宅設備などの止水設計技術を集約して設計・開発を進め、折り畳み式のコンテナボックスにヒントを得た止水板「F─shield」の製品化にたどり着いた。
土のうの15倍
土のうより高性能の止水板 誰でも簡単設置 古河電工開発
-
男女を問わず簡単に設置ができる止水板「F―shield」=平塚市東八幡の古河電工平塚事業所 [写真番号:1133576]