「人を殺してしまったので、生きていていいのかと思いますし…。自分は必要とされていないんじゃないか、と思います」
2021年11月、横浜市磯子区の自宅で夫=当時(63)=を殺害したとして嘱託殺人罪に問われ、今年7月、横浜地裁に懲役2年6月、執行猶予4年の判決を言い渡された女性(59)。5月、法廷に立ち、そう述べた。
うつ病に罹患(りかん)し、発達障害傾向と精神鑑定で診断された。介護していた夫から殺害を頼まれ、周囲に相談できず、支援にもつながらず、孤立の末に事件が起きた。
対話を機に
嘱託殺人は問う 孤立させぬ支援「人として接してくれた」
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女性の更生支援計画を作った牧野さん(右)。相談支援員の岩屋文夫さんも「(夫の)支援の拒否があったから救えなくて仕方ない、と終わらせてはいけない。風穴を開ける方法を考えなくては」と語る=7月、茅ケ崎市香川 [写真番号:1112993]
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県地域生活定着支援センター長の山下康さん(山下さん提供) [写真番号:1112992]