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特殊詐欺の実態 “飛び”の男たち
父親は証言台で号泣 傍聴席へ深々と頭を下げ…

社会 | 神奈川新聞 | 2022年9月9日(金) 17:00

 2022年上半期(1~6月)は、8年ぶりに特殊詐欺の被害額が増加に転じた。増長する詐欺の被害は一層深刻化し、さらに複雑、巧妙化している。連載「特殊詐欺の実態」の第3弾では、その中でもとりわけ特殊な犯行手口である“飛び”の実態に迫る。

 (詐欺グループ関係者や訴訟関係者、捜査関係者への取材のほか、被告や共犯者、証人による公判廷供述、訴訟関係資料を基に構成しています)


新崎(仮名)の父が法廷に立った横浜地裁=横浜市中区

 横浜地裁の506号法廷。新崎皐=仮名、逮捕当時(23)=の父親は証言台の前に立ち、大柄な体を丸め、親指を強く握りしめて嗚咽(おえつ)し、号泣した。

 「本当に…申し訳ありません! 私の育て方が、悪かった。本当に、息子が迷惑をかけ、申し訳ありませんでした!」

 裁判長が問うた。

 「被害弁償だが、新崎君の社会復帰の後となると、高齢の被害者を狙った犯罪ということもあり、急がなければならないタイプの事件だ。準備はあるのか」

 父親は丸めた背を一層小さくし、言った。

 「まとまった金はないが、息子もどうやって…。どういうふうにしたらいいのか。自分、ばかなので、うまく言えないです。でも、本当に社会に迷惑をかけてしまい、そのことをずっと(逮捕から公判までの)1年半、考えてきました。被害者がご高齢ということで、少しずつかもしれないが(被害弁償を)やっていきたい」

 何度も何度も言葉に詰まり、鼻水を手の甲で拭いながら、絞り出すように言った。

 そして「裁判長、ちょっといいですか」と突然立ち上がると、傍聴席の端に座る被害者の親族に向き直り、深々と頭を下げた。

 「本当に、申し訳ありませんでした!」

 叫びに近い、父親として精いっぱいの謝罪が、法廷に響き渡った。

 そんな父親の背中を直視することができなかった新崎は、床の一点を見詰めて身じろぎもせず、その両目からは涙がこぼれ落ちた。

「厳しく育ててきたつもり」

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