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特殊詐欺の実態 “飛び”の男たち
パトカーに追われた「首領」 追突事故きっかけに詐欺発覚

社会 | 神奈川新聞 | 2022年9月4日(日) 17:00

 2022年上半期(1~6月)は、8年ぶりに特殊詐欺の被害額が増加に転じた。増長する詐欺の被害は一層深刻化し、さらに複雑、巧妙化している。連載「特殊詐欺の実態」の第3弾では、その中でもとりわけ特殊な犯行手口である“飛び”の実態に迫る。

 (詐欺グループ関係者や訴訟関係者、捜査関係者への取材のほか、被告や共犯者、証人による公判廷供述、訴訟関係資料を基に構成しています)


大門充宏(仮名)が8台の乗用車を巻き込む多重事故を起こし、車を乗り捨てて逃走した交差点=静岡県駿河区

 2021年2月8日、静岡市駿河区の幹線道路。パトカーに追われていたトヨタの高級ブランド「レクサス」の大型セダンは赤信号で停止中の車列に突っ込んだ。車体を押しのけるように衝突を繰り返して進み、それでも身動きがとれなくなると、運転席の男は車を乗り捨てて逃走を図った。

 「止まれ!」

 何人もの制服警官が怒号を発して猛然と追いかける中、男は制止を振り切って中央分離帯を乗り越え、姿を消した。

 計8台の乗用車を巻き込んだ不可解な交通事故は、やがて思わぬ事件の発覚へとつながっていく─。

警察官は素性知らず

 警察官に追われていたのは、大門充宏=仮名、逮捕当時(27)。事故の直前に数キロ離れたコンビニ駐車場で警察官から声をかけられ、パトカーからの逃走劇が始まった。

 この時の警察官はレクサスのナンバーが「大阪」だったことと、窓ガラスにスモークが張られて車中が見えづらくなっていたことに不審を抱いて職務質問しようとしただけで、大門の素性を知っていたわけではなかった。

 結局、大門は事故を起こした現場からは逃げおおせたものの、乗り捨てた車の中には大門名義の保険証が残されていた。翌9日夕方、逃走地点から20キロほど離れた静岡市清水区内のコンビニで神奈川県警の警察官に逮捕された。

 神奈川県警は19年12月に発生した詐欺事件を捜査中で、横須賀市の80代男性から現金600万円を欺(だま)し取った容疑者に浮上した大門を追っていた。

多数の配下

 捜査関係者はいう。

 「(大門は)“飛びグループ”の首領です。この男をトップに、勧誘役のリクルーターがいて、さらに複数の受け子、出し子を管理していました」

 捜査関係者が手にした資料には大門を筆頭に、リクルーターの新崎皐=仮名、逮捕当時(23)、実動部隊の城中将大=仮名、四谷美帆=仮名=らが写真付きで記され、犯行グループの全容が描かれていた。

 特殊詐欺(トクサギ)の関係者や捜査関係者が口にする“飛び”とは、一体どのような手口なのか─。(田崎 基)

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