声を上げられない存在を、写真の力で浮かび上がらせる。「戦争の昭和」を撮り続ける写真家の江成常夫さん(85)=相模原市中央区=は、そうやって対象と向き合ってきた。戦争に人生を狂わされた人、そして不条理にも命を奪われた人に。
広島の倫理
沖縄と「花嫁」(下) 奪われた命に耳澄ます
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横浜出身のカズエ・ワッツさん(前列右から2人目)。夫から一方的に離婚されたが、その後、再婚相手に恵まれた=1978年、米カリフォルニア州ナショナルシティー(江成常夫撮影) [写真番号:1107121]
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江成さんは20年後に「花嫁」たちを再訪した。境遇は人それぞれだったが、カズエ・ワッツさん一家は、娘のパトリシアさん(中央)の結婚で幸せに満ちていた。今年復刊した著書「花嫁のアメリカ 完全版」に収録されている=1998年、米カリフォルニア州サンディエゴ(江成常夫撮影) [写真番号:1107122]