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ウサギのペットで多頭飼育崩壊 2匹が2年で200匹以上

社会 | 神奈川新聞 | 2022年8月7日(日) 05:00

神奈川県内の住宅の一室で200匹以上飼われていたウサギ=4日

 県西地域で30代夫婦が飼育していたペットのウサギ2匹が、わずか2年足らずで200匹以上に繁殖し、自宅内を“占拠”するほどの多頭飼育崩壊が起きた。犬や猫の多頭飼いのケースは多いが、飼い主のSOSを受けた県担当者やボランティアも「経験上初めてのこと。ウサギに詳しい職員は限られて現場も混乱している」と困惑。今月5日までに1匹を残して全てのウサギが保護され、新たな飼い主を待っている。

 夫婦は2020年8月から9月にかけてウサギ2匹を県内のペットショップで購入。室内で飼っていたところ、1年で約100匹にまで増えたという。

 今年7月上旬、県動物愛護センターに相談し、管轄の保健福祉事務所が自宅を訪問。さらに動物愛護活動に取り組む一般社団法人アニプロも支援に加わり、今月5日に同センターが約60匹を引き取り、アニプロも約150匹を保護した。

 ウサギのメスは生後4カ月ごろから妊娠が可能という。数秒で交尾を終え、約1カ月の妊娠期間で7~8匹を産むこともある。今回のケースでは保護までに約1カ月がかかり、その間もウサギは増え続けた。アニプロの原奈弓代表理事は「行政が足踏みをしている間にもウサギの繁殖は続いてしまう。素早く対応すべきだった」と指摘する。

 県では19年3月、10頭以上の犬や猫を飼育する場合に届け出を義務付ける「多頭飼育届出制度」を新設したが、ウサギは対象外。同センターではここ数年でウサギの多頭飼育による引き取り事例はなく、担当者は「猫も収容可能数の2倍を保護しており手一杯な状態だが、緊急性を持って対応すべき案件だった」と話した。

 同センターは今後、ウサギの不妊手術を行うなど準備が整い次第、譲渡を予定している。アニプロは飼い主の募集を始めており、問い合わせはホームページ(https://www.ani-pro.org/)から。

相談できなかった理由

 「改めて異様な光景だと思う。ウサギは家族の一員なのに、面倒を見切れず申し訳ない」

 県西部の住宅街にある一軒家。わらが敷き詰められ、居間がまるごと“ウサギ小屋”と化していた部屋で、取材に応じた飼い主の30代女性が打ち明けた。

 
 

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