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追う!マイ・カナガワ パートナー紙から 北陸中日新聞
まつり出演の俳優、なぜ撮影NG? 「今どき逆効果」の声

社会 | 神奈川新聞 | 2022年8月5日(金) 09:00

 3年ぶりの開催で盛り上がりを見せた「金沢百万石まつり」を巡る投稿が、北陸中日新聞の双方向報道「Your Scoop(ユースク)~みんなの取材班」に寄せられた。メイン行事「百万石行列」で、前田利家役とお松役の俳優への沿道からの写真撮影が禁止され、「屋外の公道上を行列するのに…。違和感があります」。なぜ撮影NGになったのか─。

前田利家役の竹中直人さん(馬上)のそばに掲げられ、撮影をしないよう呼び掛ける案内板=6月4日、金沢市本町で

 「撮らないでください」。利家役の竹中直人さん(66)やお松役の栗山千明さん(37)が通過すると、複数のスタッフが掲示板を手にして大声で叫んだ。多くの観客は携帯電話を向けたが、戸惑いを覚えた人たちは多かった。交流サイト(SNS)上でも「印象に残ったのは撮影禁止を呼び掛ける声。とても残念」「いまの時代、禁止なんて逆効果」などの声が相次いだ。

 撮影規制が発表されたのは、まつり開幕6日前。金沢市と金沢商工会議所でつくる実行委員会が公式ホームページで「肖像権保護のため写真・録画及びSNSへの投稿をご遠慮ください」と突然発表した。市観光政策課によると、実行委の協議で出た意見を基に5月下旬に決まった。

 俳優2人との契約に肖像権に関する内容はなく、2人が所属する事務所の要望でもないという。前回の2019年までの行列では撮影できたが、担当者は「スマートフォンが普及しさまざまなSNSが登場したことで、肖像権を巡るトラブルが起きている。中傷や意図しない利用も避けるため」と理由を挙げた。

 成蹊大の塩澤一洋教授(著作権法学)は「そもそも肖像権は、日本の国内法で明文化されていない」と指摘。肖像権を理由に、「撮影はご遠慮ください」との看板を持ったスタッフを行列に同伴させた実行委の対応について「法律を執行する行政機関が関わっていながら、法的根拠がない権利を掲げていいものか」と疑問を投げ掛ける。

 法律に規定がないものの、過去に肖像権侵害が認められた判例はある。ただ、塩澤教授は今回は権利侵害に当たらないとみる。「公道での催しであれば、原則として誰が何を撮影しても自由。仕事として参加している芸能人を大衆が撮影し、SNSに投稿することは原則問題ない」と話した。

 市観光政策課の担当者は「実行委としては最善の対応だったと思っている。こういった声があることも踏まえ、来年度以降の対応を検討する」と話している。

 著名人が出演する各地の主なイベント事務局に問い合わせると、撮影規制はされていなかった。

 毎年20~30人ほどの芸能人が踊り手として参加する徳島県の「阿波おどり」。主催する阿波おどり未来へつなぐ実行委員会によると、踊り手は撮影されることが大前提。担当者は「芸能人が撮影できないという想定は考えたことがない」ときっぱりと言う。

 さっぽろ雪まつり実行委員会によると、2019年にNHK連続テレビ小説「なつぞら」の主演を務めていた俳優の広瀬すずさんが特別出演。担当者は「入場無料で公の場所で開催していた。事務所からも特に撮影制限の打診はなかった」と話した。

(北陸中日新聞)

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