日本三大七夕祭りの一つとして親しまれてきた「湘南ひらつか七夕まつり」(7月8~10日)が3年ぶりに開催される。商都・平塚の戦後復興の象徴として親まれてきた祭りは数えること70回目。新型コロナウイルス対策を講じ、規模を縮小して行うなど前例のない形式となるが、逆境の時代に希望を込め開催に向けて尽力する市民の姿を追った。
「どういう形なら皆が了解してくれるかを考えた中で、苦渋の選択だった」
3年ぶりに開催する湘南ひらつか七夕まつり(8~10日)まで1カ月を切った6月中旬。本番に向けて準備を進める実行委員会委員長の福澤正人さん(80)=平塚市観光協会会長=は、祭りの存続を懸けた難しい決断を振り返った。
実行委は4月、焼きそばや綿菓子、リンゴあめといった祭りにつきものの露店営業を取りやめると発表した。新型コロナウイルス対策として、飲食を伴う出店を認めず、商店街の事業者についても店先での仮設出店などを原則不可とした。
さらにその後、飲食だけでなく物販露店も取りやめることを決定。ひらつか七夕まつりは例年約500店が出店してにぎわったが、長い歴史の中で露店がゼロになるのは初めてという。
「もうやらなくても」
途絶えさせるわけには 「苦渋の選択」異例ずくめの開催へ
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露店が並び、多くの人でにぎわった2018年の七夕まつり(平塚市提供) [写真番号:1098287]
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第70回ひらつか七夕まつりの開催と、コロナ対策としての飲食を伴う露店の取りやめを発表した実行委員会=4月5日、平塚市役所 [写真番号:1098288]