「長年、地域の男性が善意で手入れしていたようなのですが…」。きれいな花々が咲く“沿道”が、見るも無残な荒れ地になったと残念がる写真が、横浜市の女性(48)から「追う! マイ・カナガワ」取材班に寄せられた。植栽を撤去する旨の土木事務所の勧告書が張り出されているという。記者は疑問と怒りに押され、現場に向かった。
京急線の能見台駅から歩いて5分ほど。同市金沢区堀口の高台にあるマンションの擁壁と歩道の間に、幅約1メートル長さ約50メートルにわたって沿道スペースがあり、雑草が生え、ごみが捨てられていた。
立て看板には『ここは横浜市が管理する道路区域です。植栽は撤去します』とある。
投稿者の夫(45)は「地域の人たちを長年楽しませてくれた善意を、こんな看板で踏みにじるなんて」と言うと、落ちているたばこの吸い殻を悲しそうに見つめた。記者は荒れ地の中に、きれいに咲く花を一輪見つけ、写真に収めた。
手入れしていたのは年配の男性のようだが、どんな人なのだろうか。
近所で聞き込みすると、男性を知っているという女性(77)に出会った。地域の様々なボランティアで熱心に活動し、地元では知られた存在のようだ。植物の知識が豊富で、女性が庭の枝切りを頼むと「快くやってもらえた」という。
植栽への思い
善意の花々、横浜市が撤去? 市が看板で予告、でも実は…
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きれいな花々が咲く“沿道”の様子(2015年) [写真番号:1097850]
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見るも無残な風景となっていた(22年) [写真番号:1097854]
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横浜市が張り出した「勧告書」 [写真番号:1097858]
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20年以上にわたり植栽を続けた脇谷哲夫さん [写真番号:1097857]
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荒れ地に咲いていた一輪の花 [写真番号:1097859]