関東大震災後、各地で「朝鮮人が襲ってくる」などのデマを信じた民衆が多くの朝鮮人を虐殺した。千葉県では震災の5日後、自警団が被差別部落出身の行商人らを朝鮮人とみなし、幼児や妊婦を含む9人を殺害した。映画監督の森達也さんが、この「福田村事件」の映画化を目指している。震災から100年となる2023年の公開に向けて、製作資金のクラウドファンディング(CF)も実施中だ。「同じことを繰り返さぬよう、日本の負の側面をしっかり記憶しなければ」と語る森さんに聞いた。
─映画化の経緯は。
「03年に事件現場に慰霊碑が作られ、その新聞記事をたまたま読んだ。初めて知った事件だったのでいろいろ調べ、当時はテレビで特集したいと思ったが…