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記者の視点=徳増瑛子
長崎性暴力訴訟判決(下) 加害に「加担」自覚を

社会 | 神奈川新聞 | 2022年6月19日(日) 10:59

判決後の記者会見で、原告は繰り返し支援者への感謝の思いを述べた=長崎市内(新聞労連提供)

 私が長崎性暴力訴訟を取材するようになったのは、2019年秋ごろだった。前職の新聞社で長崎総局の配属だったとき、先輩記者から取材テーマの一つとして引き継いだ。

 当時、マスコミの事件への注目度は高くなかったと思う。多くの記者に性暴力だったという認識はあったが、判決の前に性暴力だと断定して報じることを避けていた。他社の記者との会話で「判決が出るまで性暴力か分からない」といった声が聞かれ、私も同じ認識だった。

 本格的に取材する転機となったのは19年冬。長崎市議会一般質問で議員席から「被害者はどっちか」というやじが上がり、その後、原告弁護団が議長にやじの声の主の特定と謝罪を申し入れたときだった。

 性暴力被害を訴えている女性側が誘った、とも読み取れる発言に違和感を持った。20年3月、議会が発言者の特定を断念したことや、その背景にある差別意識を指摘する記事を掲載した。

 正直、その記事は勇気がいった。市や市議会を批判する内容で、「係争中に原告側の肩を持つような記事を書いていいのだろうか」と不安だった。

 記事が掲載された日、長崎市役所で各社記者がいる前で総務部長に呼び出され、背筋が凍った。掲載された記事が関係していることは明白だった。

総務部長は

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