
福島第1原発事故でふるさとを奪われた責任を追及する「福島原発かながわ訴訟」は、今も闘いを続けている。原告は57世帯169人。11年前、東日本大震災発生当初から神奈川県内への避難者の声に向き合い、弁護団事務局長を務める黒澤知弘弁護士(47)は言う。
「事故の被害は続いている。被害の実相に見合った賠償を、求め続ける」
東日本大震災から11年がたった今年3月16日深夜、東北を襲った地震。宮城、福島両県で最大震度6強を観測し、3人が死亡、240人以上が負傷した。
「震災を思い出して怖い」
「原発は大丈夫なのか」
東北地方で地震が起きるたび、黒澤弁護士は訴訟の原告らから、不安の声を聞き続けてきた。
黒澤弁護士はかみしめるように言う。
「東日本大震災も、原発事故も、終わっていない。現在進行形の問題なんです」
「テストの採点のよう」
福島原発かながわ訴訟(下)被害直視した賠償を
「福島原発かながわ訴訟」の原告の自宅敷地内で、放射線量を計測する弁護士ら(弁護団提供、2018年撮影) [写真番号:1093670]
弁護団事務局長・黒澤知弘弁護士 [写真番号:1093672]