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特殊詐欺の実態 粗暴化する男たち(4)
借金重ね犯行加担 「悪いことだと分かっていた」のに

社会 | 神奈川新聞 | 2022年6月13日(月) 17:00

 特殊詐欺(トクサギ)の被害が止まらない。取材を進めて浮かび上がるのは、トクサギを担う犯罪者たちが、強盗や強盗致傷へと先鋭化していく実態だ。末端の共犯者たちが脅され、追い詰められて凶悪化する現実とは。「粗暴化する末端」に迫る。

 (捜査関係者、詐欺グループ関係者、訴訟関係者への取材のほか、起訴された被告や共犯者、証人による公判廷供述、訴訟関係資料を基に構成しています)


吉田豊(仮名)らが1200万円とキャッシュカードを奪った後、このカードを使って計433万円を引き出したコンビニの一つ。犯人はこのコンビニを含め計7カ所に分散して現金を引き出していった=横浜市内

 吉田豊=仮名、逮捕当時(21)=が特殊詐欺の「受け子」や「出し子」を繰り返したことで、その総被害額はわずか2カ月で約500万円に上っていた。最後の犯行は横浜市保土ケ谷区での緊縛強盗。共犯者のまとめ役として現金1200万円とキャッシュカード20枚を奪い、カードから約443万円を引き出した。起訴された事件だけでも、被害総額は2100万円に膨れあがっていた。

 末端とされる受け子や出し子にとどまらず、現場での指揮や見張りを担った吉田はしかし、氏名不詳の指示役の男「タカヤマ」から脅迫されていたという。

 トクサギの仕事を始める際、顔写真を送るように言われ、実家の住所も伝えていた。犯行を重ねる中で、嫌そうなそぶりを見せると「母親がどうなってもいいのか!」と度々脅された。

 ところが、緊縛強盗で奪った金を大阪のビジネスホテルで闇金業者に盗まれたことを相談すると、「タカヤマ」は「110番通報しろ」と言ったという。

 吉田が関与した強盗事件やトクサギ事件が発覚する恐れもあるのに、なぜか。

矛盾だらけの言動

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