「丹沢表尾根の新大日山頂にある『新大日茶屋』の崩壊が進み、危険な状態です。解体に向けた動きがあれば仲間と手伝いたいのですが…」。厚木市に住む丹沢ハイカーの女性(50)から心意気を感じる投稿が「追う!マイ・カナガワ」取材班に届いた。そこで所有者への取材を何度か試みたが、話を直接伺うことはできず―。
丹沢の空き家、今はどうなっているのか?
契約継続の方が安上がり
山小屋関係者らからは、所有者は高齢や体調不良などから山へ行けなくなったという話も聞いた。引き継げる人もおらず「空き家」になったのだろうか。
同茶屋について、秦野市は2009年の調査で既に「営業休止」扱いとしている。市も小屋の状況は認識しており、「丹沢大山国定公園内で県の管理になる。景観的にも問題なので対応したいのですが」と打ち明けた。
県自然環境保全センター(厚木市)に尋ねると、「1965年の国定公園指定以前からの建物で、県が管理しているわけではない」と素っ気ない答え。「土地は国管理なので、林野庁に聞かれてはいかがでしょうか」。行政の縦割りにイライラしつつ、同庁の東京神奈川森林管理署(平塚市)に問い合わせた。「関係者とは連絡が取れていますよ」。期待が膨らむ答えが返ってきた。
担当者によると、新大日周辺の土地は61年ごろに秦野市から譲り受け、国管理の土地になった。山小屋などの営業は、許可を得て賃貸借契約を結べば可能になる。「小屋の管理者とは現在も契約があります。営業休止は所有者の判断ということです」。廃屋のようで、廃屋ではない?
契約を更新しない場合はどうなるのか。
「所有者は…
どうする?丹沢の空き家 解体手伝う「申し出」に行政は
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2018年3月に撮影された新大日茶屋。既に営業休止状態だったが、屋根や壁はまだ崩れていない(猪野好春さん提供) [写真番号:1090422]
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[写真番号:1090423]
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表尾根でも屈指の人気を誇る塔ノ岳山頂からの眺め。この日は富士山ほか、右には南アルプスの山並みも望めた=4月 [写真番号:1090424]