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どうする?丹沢の空き家 山頂の茶屋が崩壊進み「危険」

社会 | 神奈川新聞 | 2022年5月30日(月) 05:30

 「丹沢表尾根の新大日山頂にある『新大日茶屋』の崩壊が進み、危険な状態です。解体に向けた動きがあれば仲間と手伝いたいのですが…」。厚木市に住む丹沢ハイカーの女性(50)から心意気を感じる投稿が「追う! マイ・カナガワ」取材班に届いた。添えられたのは廃墟となった小屋の写真。15年ほど前から、朽ちていく姿に心を痛めてきたという。(最上 翔)

「解体なら手伝いたい」

屋根が傾き、壁が崩れた新大日茶屋=4月

 標高約1340メートルの「新大日」。江戸時代の書物によると、その名は修験者が大日如来像を安置したことに由来する。

 山岳信仰が盛んだった丹沢らしい神聖な場所で、茶屋が無残な姿をさらしているという。電話越しに「放火や犯罪が起きたら大変。景観も悪く、所有者に解体の意向があれば、仲間で手伝えたらと思います」と話してくれた女性の思いが、マイカナ取材班の背中を押した。

 登山シーズンの到来を待ち、記者はこの春、秦野の登山口「戸沢の出合」から出発し、ヒノキ林に囲まれた急な登山道をひたすら進んだ。

新大日茶屋の玄関付近と見られる場所に散乱していた空き瓶が入った箱。撤去されるのを待っているのだろうか…=4月

 風は心地いいが、景色は変わらず、他の登山者もいない。黙々と登ること1時間半、政次郎ノ頭(標高1209メートル)でヤビツ峠からの表尾根と合流した。富士山を左に見ながらさらに進むと、緑色の建物が見えてきた。いよいよ新大日だ。

 雪の重みに耐えきれなかった屋根や壁は今にも崩れそうだ。中をのぞくと物品が散乱し、空き瓶の箱が雑然としている。人の気配もない。この危険な状態を、誰が見て見ぬふりをしているのか。下山しながら、取材を進めることを決めた。

登山ブームにあやかり?

登山者でにぎわう塔ノ岳山頂の尊仏山荘。撮影された4月はまだ夜の冷え込みが厳しく、ストーブがたかれている(1977年4月撮影)

 戦後の第一次登山ブームだった頃の1967年発行の『ブルーガイドブックス 丹沢』によると、表尾根には当時、宿泊可能な山小屋が新大日茶屋を含め25軒あった。料金はいずれも素泊まりが350円、休憩料(お茶代)は50円だ。そのうち今も現役の山小屋は半分以下だ。なぜか。

 ガイドブックによると、当時の丹沢登山は、前夜に麓にある山小屋に宿泊し、翌朝から登り始めるのが王道だったようだ。交通機関や道路、駐車場が整備され、日帰りが当たり前になった昨今とは大きくスタイルが異なる。ある山岳関係者は「丹沢は山域に対して小屋が多い。登山ブームにあやかり商売を始めた人が多かったのでは」と話す。

 新大日茶屋はいつまで営業していたのだろうか。先述のガイドブックなどを頼りに、新大日茶屋の所有者への取材を何度か試みたが、話を直接伺うことはできなかった。

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