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時代の正体 差別禁止法を求めて
京都・ウトロ放火初公判 被告「事実として認める」

社会 | 神奈川新聞 | 2022年5月17日(火) 10:48

骨組みだけとなった家屋や倉庫が火勢を物語るウトロ地区の放火現場=5月1日、京都府宇治市

 在日コリアンが集住する京都府宇治市のウトロ地区の家屋に放火したとして、非現住建造物等放火罪に問われた奈良県桜井市、無職の男(22)の初公判が16日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であった。男は名古屋市の在日本大韓民国民団(民団)と韓国学校の施設にも火を放ち、建造物損壊罪などでも起訴されている。罪状認否では「どちらも事実として認めさせてもらいます。間違いございません」と述べ、起訴内容を認めた。

 男は逮捕・起訴後、複数の報道機関の取材に応じ、在日コリアンに恐怖を与える目的があったと明かしている。連続放火がマイノリティーを標的にした差別的動機に基づく犯罪「ヘイトクライム」として裁かれ、量刑が加重されるかが焦点となっている。

 起訴状などによると、男は2021年8月30日、ウトロ地区の木造家屋に放火し、家人が在宅中だった民家を含む7棟を全半焼させた。7月24日にも民団愛知県本部と名古屋韓国学校に放火し、壁などを焼損させたとされる。

 検察側は冒頭陳述で、事件の動機を「無職となった憂さを晴らし、社会から注目を浴びたいと考えた。韓国人に悪感情を抱いていたこともあり、在日韓国人関連施設を狙った」と指摘。ウトロ地区での放火については、地域の歴史を伝えるウトロ平和祈念館が開設予定だったことから、「名古屋の事件がニュースで大きく扱われず物足りなさを感じた。館に展示する資料を倉庫ごと燃やせば注目を浴びると考えた」と述べた。

 ウトロ地区に在日コリアンが集住しているのは、戦時中、飛行場建設に従事させられた朝鮮人が、戦後も差別により劣悪な環境に置かれているのを放置され続けたことが原因。ところがインターネット上で「不法占拠」というデマが拡散、排斥を叫ぶ差別主義者のヘイト街宣の標的にもされてきた。

「悪感情でなく差別」

 
 

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