運動部活動が過渡期の真っただ中にある。長く日本のスポーツ普及を下支えし、子どもたちの人格形成を担ってきた一方、教員の長時間勤務の温床とされてきた。校外への指導委託が検討されるなか、教育現場や家庭には戸惑いも広がる。改めて見つめたい。「ブカツ」って、何だろう─。(「部活動は今」取材班)

人口減少の波が、部活動の現場にも押し寄せている。住民約2万7千人の二宮町。2校ある町立中学校の生徒数は計約600人にとどまり、団体スポーツを単独で編成できない課題を抱える。
二宮中のサッカー部員は6人。一昨年は隣の大磯町の中学と合同チームを組んだが、翌年は相手校の部員数が増えたため解消。陸上競技部やバスケットボール部などから“助っ人”を集めて大会に出場したという。
「練習も大したことはできていないと聞いた。それってかわいそうですよね」。地元の地域密着型スポーツクラブ(SC)「ラビッツクラブ湘南二宮」代表の小林等さんは眉を寄せる。技術の高い選手は町外に出て、J1湘南ベルマーレの育成組織などでプレーすることもできる。「でも、そこまでの実力がないという子の居場所がなくなるのではないか」