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追う!マイ・カナガワ
厚木にないのに「厚木基地」?(上)由来は諸説あるけれど

社会 | 神奈川新聞 | 2022年4月24日(日) 05:30

 「厚木市民としてやっぱり謎なのが、厚木にないのになぜ厚木基地と呼ばれているかです」。神奈川新聞「追う! マイ・カナガワ」との連携がスタートしたFMヨコハマ「ちょうどいいラジオ」の番組リスナーから、こんな声が寄せられた。終戦後、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥が降り立ったことで有名な厚木基地だが、所在地は大和・綾瀬の両市にまたがっており、厚木市には全く接していないのだ─。

早くから「厚木」の名

 先月から始まった連携企画の一環として、同番組内で募集している“神奈川の謎”の一つ。投稿者は「敵から(場所を)ごまかすためなど諸説ありますが、どれも決定的な理由がない」と不思議がる。

 所在地の大和市の資料によると、同基地の歴史は1938年に旧日本海軍が航空基地として定めたことから始まった。43年に戦闘機部隊の「厚木航空隊」が設置され、同時期に厚木飛行場と呼ばれるようになったとの記述がある。海上自衛隊の資料にも、41年に「帝国海軍厚木分遣隊(仮称)設立委員会設置」とあり、早くから「厚木」の名が使われていたようだ。

 名称の由来については、(1)近隣で古くから宿場町、生産物の交易の場として栄えていた厚木町の名が全国的に知られていたため(2)基地の所在を欺くなど、軍事上の理由(3)大和基地とすると、戦艦大和や奈良の大和と混同しやすいから─といった諸説を紹介しているが、いずれも確証がなく、いまだに解明されていないという。

命名当初トラブルも

厚木航空隊の名称変更を訴えた陳情文について説明する綾瀬市担当者=綾瀬市役所

 綾瀬市にも興味深い資料があると聞き、早速市役所へ。基地に近いだけあって、上空を頻繁に飛び交う航空機の音に驚きながら足を運んだ。

 市生涯学習課に市史を見せてもらうと、43年に厚木航空隊が設置された際、「地元の名称に由来するものに変更してほしい」と当時の大和・渋谷・綾瀬の3村長が海軍に陳情を出したという記録が載っていた。入隊者や携行品が同基地ではなく厚木市内に到着してしまうなどの理由からで、命名当初はさまざまなトラブルがあったようだ。

 それでも海軍からは「変更できない」と回答されたといい、同課の担当者は「大和は奈良県、渋谷と綾瀬は東京都に同じ地名があり、いずれも紛らわしいと判断された可能性があると言われています」と教えてくれた。

 だが、やはり決定的な理由は分からない。さらに調査を進めた。(塩山 麻美)


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