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追う!マイ・カナガワ
大磯・旧吉田茂邸に居着いたシカ まさかのストーリー展開

社会 | 神奈川新聞 | 2022年4月18日(月) 05:30

 「大磯町の旧吉田茂邸にシカが居着いている。観光客にも動じる様子はないけれど、このまま放っておくのか、シカにとって幸せになる行く末はどうすることが良いのか」。今月6日、同町で暮らす男性(68)から、気になる情報が「追う! マイ・カナガワ」取材班に寄せられた。現地を訪れてみると、野生ジカを巡る切ないストーリーや、微妙な距離感を保ちながら見守っていた関係者らの複雑な心情が浮かび上がった。


来園者が近寄っても逃げない野生のシカ。旧吉田茂邸がある県立大磯城山公園に居着いている=7日午後

 翌7日、歴史が薫る県立大磯城山公園の旧吉田茂邸(大磯町西小磯)。戦後の占領下に就任し、サンフランシスコ講和条約を締結した宰相に思いをはせながら庭園に足を踏み入れたら、程なくして1頭のニホンジカが視界に入ってきた。

 体長は1メートル半程度か。竹林に座っていたシカは近寄っても逃げず、あくびを繰り返すなどリラックスした様子だ。

 「何でこんな所にシカが…」「名前をつけよう」。訪れた観光客らからも、予想外の“対面”に驚きの声が聞こえてきた。

 同園の旧吉田邸地区は国道1号に面し、南側には西湘バイパスを挟んで太平洋が広がる。約3ヘクタールとさほど広い敷地ではないものの、緑豊かで静かな環境が整う。

 旧吉田邸は町が管理しているが、庭園を含めた公園は県の平塚土木事務所が管轄している。園を管理している「県公園協会・大磯城山公園」によると、シカは昨年夏ごろに出没し、そのまま居着いてしまったという。

旧吉田茂邸があり、緑豊かな県立大磯城山公園

 取材を進めると、最初は親子2頭が目撃されたというが、ある日、親ジカがこつぜんと姿を消したことも分かった。昨年8月末にはJR東海道線の大磯-二宮間でシカが電車にひかれる事故が発生。親ジカだったとみられ、雌の子ジカが取り残されたようだ。

シカはどこからやって来たのか

 
 

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