篤志家の寄付で建設された大磯町の施設を明け渡すよう町から提訴され、法廷で3年以上争った障害者施設「かたつむりの家」が今春、町内に新たな作業所を建て移転した。一審判決は町側を「権利乱用」と厳しく糾弾。最終的に2020年の和解に基づき、19年過ごした“家”を離れることになったが、自立の一歩を踏み出した春に関係者は「地域と障害者が共生する場を目指したい」と前を向く。
田園風景の中に立てられた木造平屋建ての新たな作業所。約40人の知的障害者らが通い、チラシ入れや車の部品の箱詰め作業など軽作業に汗をかき、手作りのパンや焼き芋を地域の人々に販売している。
心を躍らせる通所者たち
障害者施設明け渡し訴訟和解2年 新たな作業所で自立の春
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新しい作業所で軽作業する障害者ら [写真番号:1077769]
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横溝千鶴子記念障害福祉センターを明け渡し、4月に移転した新たな「かたつむりの家」=大磯町生沢 [写真番号:1077767]