東日本大震災から11年を迎える。津波で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市では、神奈川出身の移住者たちが根を張り、新たな芽を吹かせている。「復興に貢献しないと」と気負うことなく、「やりたいこと」の延長線上に復興を思い描く。被災地の未来を思う4人を追った。(中)ではこのうち1人を紹介する。
村上可織さん(横浜出身)

岩手県陸前高田市の突端に広がる広田半島の高台。海に囲まれた一軒家はアロマセラピーのサロンだ。「どの香りがお好きですか?」。横浜市神奈川区出身の村上可織さん(48)が、利用者の前に32本の小さなボトルを並べて尋ねた。
香りを楽しみながら選んだ3種を調合すると、カウンセリングが始まる。