夢につながる道は、一つじゃない─。そんなメッセージを神奈川新聞社の「追う! マイ・カナガワ」取材班に寄せたのは、新型コロナウイルスの影響で留学を断念した大学生だった。この2年間、海外で学ぶチャンスは目の前で阻まれ続けた。だが、悩んだ末の足元には、新たな可能性も広がっていた。
上智大学外国語学部4年の山田菜月さん(22)=横浜市=は2年前の冬、ニューヨーク(NY)の空港で号泣していた。通信社で1カ月間のインターンシップをするはずが、直前になって中止の電話が入ったのだ。
日本国内では、横浜港に到着したクルーズ船で集団感染が起きていたが、自身に影響が及ぶとは考えもしなかった。帰国後1週間もすると、NYでも感染が拡大。半年後に控えていたミネソタ大学での1年間の交換留学も中止となった。