横浜・旧大口病院点滴殺人
犯行の実相(12)偶然見つかった「血清」、捜査は急展開
社会 | 神奈川新聞 | 2021年11月22日(月) 05:00
女性=当時(78)=の死亡診断書を受け取った姉と弟は、医師に頭を下げた。死因は「多臓器不全」と記載されていた。足のけがで入院したのに不審に思ったが、あまりの出来事に気が動転していて詳しくは聞けなかった。
葬儀の帰りの車中で、事件のことを知らせるニュースがラジオから流れてきた。もしかしたら姉さんも…。弟の疑念は膨らんでいった。姉と話し合い警察署に届けた。
この数日後には久保木愛弓被告(34)のアパート周辺にマスコミが集まり始めた。看護師の間では事件当日の勤務状況や立ち振る舞いなどから、被告が怪しいとうわさされていたのだ。