兵士を募った「赤紙」(召集令状)に対して、漁師は「白紙(しろがみ)」と呼ばれた命令書で戦場へと駆り出された。旧海軍の場合、徴用された漁師や船の多くは「特設監視艇隊」に配属された。
その主な任務は、米軍など敵の機動部隊や戦闘機の監視・哨戒活動。レーダーが未発達だった日本では、「漁師の目」はさながら「人間レーダー」だった。
「敵艦を発見して打電すると、敵に傍受されてこちらの居場所が分…
漁師たちの戦争(3)特攻隊並みの厚遇…7割が帰還できず
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1965年11月20日、靖国神社で開かれた黒潮部隊(第22戦隊)の慰霊祭で弔辞を読む元軍関係者(写真提供、軍事史研究家・服部雅徳さん) [写真番号:893626]