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横浜・旧大口病院点滴殺人
元看護師、起訴内容認める 検察「患者家族への対応に不安」

社会 | 神奈川新聞 | 2021年10月1日(金) 23:00

事件のあった旧大口病院。横浜はじめ病院と改称したが、現在は休診している=横浜市神奈川区

 横浜市神奈川区の旧大口病院(現横浜はじめ病院)で2016年9月に起きた点滴連続殺人事件で、殺人罪などに問われた元看護師久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判が1日、横浜地裁(家令和典裁判長)で始まった。被告は、入院患者の男女3人の点滴に消毒液を混入して中毒死させたなどとされる起訴内容について「全て間違いありません」と認めた。

 検察側は、起訴前の精神鑑定の結果などから被告に完全責任能力が認められると主張。一方、弁護側は心神耗弱状態だったとして責任能力について争う姿勢を示した。判決は11月9日の予定。

 検察側は冒頭陳述で、被告が別の病院で働いていた際に「患者の急変で処置に手間取り、患者の家族から責められた経験があった」と指摘。旧大口病院に勤務していた16年4月ごろにも、医師や看護師が患者遺族に非難されている場面に居合わせ、「患者家族への対応に不安を募らせた」とした。その上で「家族への対応をしなくて済むよう、自分の勤務時間外に死亡させるために犯行を繰り返した」と述べた。

 弁護側は16年3月ごろ、被告が患者遺族に「この看護師が殺した」と非難され、抑うつ症状や不眠に悩まされていたと主張。睡眠薬を大量に服用するなどして体調を崩し、急に欠勤することもあったとした。起訴後の精神鑑定の結果などから「犯行当時は統合失調症の影響を著しく受けており、心神耗弱状態だった」として、刑の軽減を求めた。

 起訴状などによると、被告は16年9月15~19日ごろ、入院患者の女性=当時(78)、男性=同(88)、男性=同(88)=の点滴に消毒液を混入して、同16~20日に殺害した、とされる。同18~19日ごろに、投与予定の点滴袋5個に消毒液を入れた殺人予備罪にも問われている。

 県警は18年7~8月に、被告を3人に対する殺人容疑で3回逮捕。同11月に殺人予備容疑でも追送検した。横浜地検は精神状態を調べる鑑定留置を実施した上で、同12月に起訴した。

責任能力巡り、検察・弁護側で食い違い

 
 

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