8月6日に発生した小田急線電車内で乗客10人が切り付けられるなどした事件。報道によると逮捕された容疑者の男は「幸せそうな女性を見ると殺したくなった」と供述しているといい、フェミサイド(女性であることを理由にした殺人)を指摘する声が広がっている。社会としてこの事件をどのように捉える必要があるのか。ジェンダー問題に詳しい作家・北原みのりさん、女性の人権問題に取り組む弁護士・伊藤和子さんに聞いた。
根底にある性差別直視を 作家・北原みのりさん
事件直後から会員制交流サイト(SNS)を中心に多くの女性たちが「これはフェミサイドだ」と発信したことに対し、フェミサイドを否定する声が続々と上がりました。主には「女性を狙ったかどうか分からない」「男性の被害者もいるからフェミサイドではない」「社会的弱者の問題だ」といった主張でした。
「幸せそうな女性たちを殺したかった」と容疑者の供述が報道されているにもかかわらず、フェミサイドで あることすら定義できない。これは何だろうと 考えさせられました。
フェミサイド考(下)小田急刺傷事件 社会はどう捉えれば?
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北原みのりさん(本人提供) [写真番号:829786]
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伊藤和子弁護士(本人提供) [写真番号:829787]